減速機の国内シェア

世界でも高い評価を受けている、日本の減速機メーカーの技術力。日本国内のシェア状況についてご紹介しています。

日本でシェアが高い
減速機メーカーとは？

国内シェアが高い
3大メーカーとは

産業用ロボットに使われている減速機では、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズ、ニデックドライブテクノロジー（旧：日本電産シンポ）が世界的にも有名なメーカーとして高いシェアを誇っています。

ナブテスコの精密減速機「アクチュエーター」は、多関節ロボットの関節部分に欠かせないパーツとして、世界でも6割のシェアがあります（※2023年3月調査時点）。精密減速機メーカーの大手企業であるハーモニック・ドライブ・システムズやニデックドライブテクノロジー（旧：日本電産シンポ）は、産業用ロボット向け減速機の生産量を増加させるなど、そのシェアの高さがみられます。

提案力・技術力で
国内シェア上位

ハーモニック・ドライブ・システムズの減速機は、ニーズに合わせた特注仕様で高いシェアを得ています。減速機市場に参入する企業が増えるなか、提案力と多品種少量で顧客をしっかりとつかんで離しません。また、その高い技術力で、各ロボットメーカーがハーモニックの現場を視察にくるほど。ロボット製造には欠かせない企業の一つになっています。

ハーモニックが提供している小型精密減速機は、ロボット市場だけでなく自動車産業や宇宙産業でも高いシェアがあります。

これまでのノウハウを
活かした異なる
減速機への参入

小型・精密減速機では、波動歯車減速機やサイクロイド減速機、RV減速機などが利用されています。それぞれに強みを持つメーカー4社がシェアを誇っています（※1：2023年3月調査時点）。最初の頃は、減速機の中でも特定の種類に絞った開発・販売体制がほとんどでしたが、最近ではタイプの異なる種類の減速機に参入する動きも見られます。

例えば、各種減速機と小型歯車のメーカーであるニッセイは、2021年9月に新ブランド「UXiMO（アクシモ）」で産業用ロボット向け減速機市場に参入しています（※2：2023年3月調査時点）。

日本の減速機メーカー

ニデックドライブテクノロジー

減速機や無段変速機をはじめ、計測機器、鍛圧機械・精密プレス加工製品の製造や販売を行っている会社です。本拠地は京都で、アメリカやドイツ、中国など、複数の海外にも拠点を展開しています。

精密制御用高精度減速機やエイブル減速機、トラクション減速機、リングコーン無段変速機など、小型で軽量、かつコンパクトな精密減速機の取り扱いが豊富。ロボットや工作機械などの場面で活躍する変速機・減速機を提供しています。

椿本チエイン

1917年12月の創業から100年以上の歴史を持つ椿本チエイン。創業当初は、自転車用のチェーンを製造している会社でした。機械用チェーンの製造に専念してからは、大規模なコンベヤプラント一式を納入したり大形チェーン減速機を開発したりと、実績を重ねながら成長していきます。その後、本格的に減速機の開発を開始し、チェーン伝動から伝動装置へと事業拡大を進めていきました。

現在では産業用チェーンをはじめ、ウォーム減速機やサーボモータ用減速機などを提供しています。

ハーモニック・ドライブ・システムズ

精密計測と加工技術を基盤に、さまざまな減速機の研究開発と製造を行っているハーモニック・ドライブ・システムズ。小型・軽量で高トルクの精密減速機「ハーモニックドライブ」とサーボモータ用の減速機・遊星減速装置の「アキュドライブ」。

「ハーモニックプラネタリ」の3つの減速機ブランドを持つメーカーです。ハーモニックドライブは火星探査車やヒューマノイドロボットのアームに採用されたことから、世界的に注目されるようになりました。

ニッセイ

1942年創業のニッセイは、当初ミシン部品の製造を行うために設立された会社です。後に小型歯車・工作機械部品の製造・販売を行うようになり、1974年より減速機の生産を開始しました。

工作機械の分野で培ってきた加工技術のノウハウを活かし、用途やニ－ズに合わせた減速機の開発が強み。特注にも対応しており、これまで様々な企業にその技術が採用されています。自動ドアや無人搬送機、コンベアなど、幅広い用途で活用される減速機を製造しています。

ナブテスコ

ナブテスコは、繊維機械や産業機械、航空機部品を製造していた「帝人製機」と「ナブコ」の2つのメーカーの経営統合によって生まれた企業です。自動ドアや油圧機器、精密減速機など、制御装置の分野で強みを持っています。

ナブテスコの主力である「精密減速機RV™」は、産業用ロボットの関節用途で広く採用されている製品。これまで以上に精密減速機の生産拠点を拡大するべく、新たな工場の設立準備を行っています。

小原歯車工業

1935年の創業以来、歯車の開発・製造を専門で行ってきた小原歯車工業。フランジタイプやシャフトタイプなど、様々な減速機に対応する歯車を製造・販売しています。設計意図に応じて最適な歯車を選定できるよう、豊富な品揃えを用意。標準規格に無い仕様に関しても、オーダーにて対応しているそうです。

歯車専用の計算ソフトや作図ソフト、歯車ＣＡＤデータの提供といった支援ツールも公開。歯車設計を効率化したい方をサポートしています。

TAIYO

1952年の創業以来、油圧機器や空気圧機器、機械装置の生産を行ってきた企業です。現在ではアメリカ・オハイオ州やメキシコなどにも拠点を持ち、サプライヤーとして標準品から特注品まで、油圧機器や空気圧機器、機械装置の豊富なラインナップを揃えています。

サーボモータ用の精密遊星歯車減速機の製造も行っており、複数のシリーズを展開中。汎用性が高くて取扱いやすく、かつ静かで高負荷に対応できるステルス減速機の提供で知られています。

アペックスダイナミックスジャパン

台湾に本社がある、アペックス ダイナミックスの日本法人です。日本は福岡に販売拠点があり、遊星歯車精密減速機やサーボモータ用減速機の販売を行っています。アペックスダイナミックは、世界25カ国、31拠点を持つグローバルカンパニー（2014年2月時点の情報）。自社のロボットに搭載するための減速機を開発して以降、2002年より本格的に減速機の製造販売を開始しました。

重荷重タイプや簡素化タイプ、フランジ出力タイプなど、ニーズや用途に合わせたラインナップを揃えています。

三木プーリ

神奈川県川崎市に本社を置く三木プーリは、伝動機器や制御機器の開発・製造・販売を行う企業です。アメリカやドイツ、スイスなど、海外の複数の企業と技術提携を結んでいるほか、中国本土や香港・台湾、韓国にも営業所を構えています。

提供する中空軸変速機・減速機は、外部に回転物の露出がほとんどないのが特徴。安全カバーを取り付けずに高い安全性を確保できる設計になっています。

【まとめ】
複数の減速機ブランド
を展開

減速機には様々な種類があり、それぞれに秀でたメーカーが存在しています。その中でも、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズ、ニデックドライブテクノロジー（旧：日本電産シンポ）は世界でもシェアが高い有名メーカーです。また、各社の減速機への研究・開発では、慣れ親しんだ減速機のノウハウと技術力で、別種類の減速機を開発するメーカーも出てきています。

トップページでは波動歯車減速機・遊星歯車減速機・サイクロ減速機ごとでおすすめの精密減速機を紹介しています。