サーボモータと減速機をセットで使う事で、サーボモータが持つ出力数を効率的に高めます。サーボモータ減速機の原理などについてご紹介しています。
サーボモータとは、指示通りに位置や速度、回転力を正確に実行する機器です。サーボモータに減速を付けたのが、サーボモータ減速機。セットにすることで、サーボモータのサイズを小さいままで大きな力を出せるようになります。
サーボモータだけで機器を動かすとなると、大きな出力が必要になるほど装置のサイズや重さも大きくなります。減速機をセットにすることで、減速機から得られるトルクが活用できるようになり、サーボモータをコンパクトに使う事が可能になるのです。
サーボモータ減速機の仕組みでは、内部に入っているギヤ(歯車)が、サーボモータの出力軸から発生した動力を減速させ、減速比に比例したトルクを得ています。
その種類は大きく分けて、ウォームギヤやハイポイドギヤの直交軸と、遊星減速機などの平行軸。直交軸のウォームギヤは高強度・高静粛で出力軸を中空軸にできる事からコードなどの配線がしやすく、ハイポイドギヤはウォームギヤよりも高効率といった特徴があります。平行軸の遊星減速機は、段数を増やすことで減速比を大きくできます。
サーボモータを単体で使うのに比べて、サーボモータ減速機はコンパクトなままで大きな力を使えるようになります。また、剛性があるのでねじれに強く、負荷トルクによる影響も小さいです。
ただ、ギヤヘッド分のスペースを確保する必要があり、ギヤヘッドの効率も考えた配置にしなければいけません。減速比が大きいほどギヤヘッドの効率が落ちる事も考慮し選定しなければいけません。
最新型の産業用ロボットなど、近年使われることが多くなってきたサーボモーター。ここからは、サーボモーターのメリット・デメリットを解説していきます。
サーボモーターを搭載すると、高速・高精度で位置決めができるようになります。ブルーレイディスクなどの薄いもの、半導体の集積回路など細かな電子部品を製造する産業用ロボットに最適です。細かな位置決めと高速製造が実現します。
また、サーボモーターには回転が円滑になるというメリットもあります。他の産業用ロボットとの動きを連動させやすく、速度低下やズレが起こりにくいのも特徴です。
さらに、サーボモーターにはフィードバック制御機能があり、稼働中のトラブルや記録が残るようになっています。そのため、運転を続けながらの自己改善が可能です。
サーボモーターは、性能の高さから価格が高めです。こまめに管理すれば故障は少ないものの、制御機能が複雑なため、故障するリスクはゼロではありません。また、消費電力が多く運転コストが高額になります。
サーボモーターは、産業用ロボットの技術の進歩とともに発展しました。
世界ではじめて工場の自動化がはじまったのは、1950年代のアメリカです。当時は産業用ロボットの位置決めには油圧や空気圧が採用されていましたが、安定運用の課題からDCサーボモーターの技術が実用化されるようになりました。
1980年代には、ACサーボモーターが登場します。それによってロボットの小型化や軽量化も進み、今ではロボット産業のみならず、ほとんどの産業機器にACサーボモーターが採用されています。
直流電流で動作するサーボモーターです。DCサーボモーターはACサーボモーターに比べて制御しやすく、小型で低価格なことから、幅広い精密機器に使われていましたが、ACサーボモーターの技術が発展し、今ではあまり見られなくなっています。
交流電流で動作するサーボモーターです。DCサーボモーターに比べて制御は複雑なものの、高応答で高精度な位置決めができることから、産業用ロボットをはじめ、高精度の制御を必要とするさまざまな機器で利用されています。
サーボモーターに似た部品にステッピングモーターがあります。サーボモーターとの大きな違いは、フィードバックの有無です。
ステッピングモーターは、パルス信号によって時計の秒針のように一定の角度ずつモーターが回転するため、フィードバックがなくても角度を変化させられます。サーボモーターにはモーターがどんなスピードで回っているかを検出するフィードバック制御があり、それによって狙いの回転速度を維持します。
高剛性の軸受、クロスローラベアリング搭載のユニットタイプです。各社のサーボモータに適合し、ワンタッチ取り付きができます。高トルクで、定格寿命向上を実現した長寿命、ノンバックラッシなどが特長です。CFSシリーズと比較すると30%のトルク容量がアップ。43%、10,000時間の寿命が向上しました。
各社サーボモータに適合できる柔軟性は強みでしょう。高トルク以外にも長寿命のために長く使えるのはコスト面でもメリットがあります。ワンタッチ取り付けができる使い勝手のよさもポイントです。
精密制御用減速機FLEXWAVE に、アダプタを一体化させたギヤヘッドタイプです。FLEXWAVEは、ロボットや工作機械向けの精密制御用減速機で、ロボットや人工衛星や半導体製造装置にも採用されています。ただ、元々は、ロボットに組み込むことを想定していた製品でした。
市販のサーボモータに取り付けるには、別の部品を用意することが求められていたのです。ギヤヘッドタイプはその問題を解決しました。サーボモータ取り付けアタッチメントを加えたことで、そのまま取り付けられるようにした製品です。
GRシリーズは、遊星減速機構で伝達トルクを向上した製品です。高性能グリースと全軸受にころがり軸受を採用したことで、減速機の回転速度範囲を拡大しました。三菱電機サーボモータELSERVO-J5(HK-KT)、MELSERVO-J4(HG-KR)では、最大トルク350%、最大回転速度6700r/minに対応しています。
遊星減速機構とアルミケーシングで小型化と軽量化に成功しています。バックラッシは標準仕様で8分以下です。三菱電機のサーボモータMELSERVO-J5(HK-KT)、MELSERVO-J4(HG-KR)と組み合わせることで高応答制御、位置決め精度に貢献します。
また、高効率化も実現しました。全軸受をころがり軸受化するとともに、低摩擦コーティングオイルシールを採用したことで、減速機の効率を向上したのです。MELSERVO-J5(HK-KT)、MELSERVO-J4(HG-KR)と組み合わせれば省エネ化が期待できます。
また、減速機とサーボモータの取付面、軸貫通部は除きますが、標準仕様で減速機の保護構造IP65に対応しています。MELSERVO-J5(HK-KT)、MELSERVO-J4(HG-KR)とMELSERVO-J5 HK-KT:IP67、MELSERVO-J4 HG-KR:IP65と組み合わせれば装置の耐環境性に貢献できるのです。
平行軸、遊星タイプのサーボモータ用高精度減速機です。遊星機構を採用したことで、少ない段数で高減速の製作を実現しています。高精度が強みで、バックラッシ精度3分/15分があります。防水や防塵対応も強みです。保護等級、IP44/IP65相当の減速機を選べます。
水がかかるようなリスクがある場所、粉塵リスクが高い場所でも使えるのも強みです。また、多種多様なサーボに合うのもメリットといえるでしょう。国内に限らず、国外の主要なサーボモータにも対応します。ニッセイからモータ支給をしてもらえれば、減速機に組み付けた状態で出荷してくれるのもポイントです。
サーボモータ用 サイクロ®減速機です。歯車機構に独自性を持っており、高強度と高い信頼性を誇る、サクロ減速機のサーボモータ用ギヤヘッドです。サイクロ減速機の歯車の曲線版は、なめらかな曲線状になっています。歯車自体にも独自の円弧歯形を採用しているのも特徴的です。
転がり具合がなめらかなことで、耐衝撃性があります。また、インボリュートギヤの噛み合い率は少ない滑り接触のため長寿命を実現しているのです。減速機のマウントは、脚取付やフランジ取り付けがあり方式を選べるという柔軟性もあります。キーレスやキー付き、2種類のモータ軸に対応できるのもポイントです。
アダプターも各社のサーボもターに対応しており、ユーザーも簡単に取り付けられます。スタンダードシリーズは、許容ピークトルク29.7~1370N・m、モータ容量は0.2~9.0kW、減速比は6~87です。
ローバックラッシシリーズは、バックラッシで6分、許容ピークトルク29.7~630N・m、モータ容量0.2~5.0kWm,減速比は6~29です。
サーボモータ減速機は、多関節ロボットの駆動部や移動ロボットやAGVの車輪駆動部など、主に工場のオートメーション化に必要な装置に使われています。
サーボモータに減速機を付けることで、出力できるトルクの値は大きくなります。ただ、出力軸の速度は遅くなりますので、必ずしもセットで使うのがいいとは限りません。必要な運転速度とトルクのバランスなどを考慮して選ぶことが重要です。
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