減速機とは、回転速度を歯車でコントロールする装置をいいます。その減速比に対して反比例のトルクが出力可能になります。そんな減速機の仕組みや原理についてご紹介しています。
減速機は、モータなど各種電動機から得た動力を減速するための部品です。一定速で回転している速度を歯車などで落とし、速度が減速するのに比例して大きな力を得る事ができます。
減速機は様々なところで使われており、工場のベルトコンベアなどの産業施設をはじめ、エレベーターやエスカレーターなど身近な生活でもお馴染みの部品。モーターには欠かせない部品であり、小さいモノから大きいものまで多種多様な減速機があります。
回転数を歯車で落とすと、それに反比例してトルク(回転力)を得る事ができます。例えば、15枚の歯車を30枚にすれば、回転数は30分の15と15枚の時よりも半分になります。そに対してトルクは2倍となります。
歯車の数はニーズによって変わります。単純な仕組みの減速機では歯車を2つ組み合わせたものになり、より多くの歯車を組み合わせた精密制御用減速機などは複雑で特殊な機器に使われています。
減速機は多種多様なモータに使われており、その種類も様々。産業機器から家電製品まで幅広く使われている一般的な減速機には、遊星歯車減速機などの「同芯軸減速機」、ウォーム減速機や傘歯車減速機などの「直交軸式減速機、スパーギヤやヘリカルギヤを数段組み合わせた「平行軸式減速機」があります。
また、精密さが求められる産業用ロボットや工作機械などでは、減速機をよりスムーズに動かすため隙間(バックラッシ)を極力減らした「精密制御用減速機」が使われています。
減速機は内部の歯車の組み合わせや使用される歯車の種類によって異なります。代表的な減速機の種類は以下の3つです。
同芯軸減速機は、モータの回転軸の延長線上に減速機の軸を配置できるよう、入力軸と出力軸とが同一軸上に配置された減速機です。太陽歯車を中心として、複数の遊星歯車が自転しつつ公転する遊星歯車を利用した遊星歯車減速機が代表的で、減速機自体のサイズをコンパクトにでき、モータと組み合わせた際にも全体をコンパクトにできる利点があります。
入力軸と出力軸が同じ平面上にない、直交の関係になっている減速機です。高い減速比を得られるのが特徴で、ウォームギアを用いた「ウォーム減速機」や傘歯車を組み合わせた「傘歯車減速機」が代表的です。
重機・農機や家電製品などに使われる一般的な減速機は、歯車と歯車の間に隙間(バックラッシ)を設定してスムーズに動かすようにできています。
ただ、サーボモータによって正確な位置を決めて繰り返し作業を行う産業用ロボットや工作機械などは、このバックラッシが大きいと上手く機能できません。
そのため、産業用ロボットや工作機械などの精密機器に対しては、減速機で使われる歯車の組み合わせを複数用いる、歯車以外の特殊な構造で動力を伝達する機能を持つ精密制御用の減速機が使われます。
減速機も変速機もモーターの回転速度を減速させて力を得ることが目的です。ただし、減速機は一定速で速度は変えられません。一方、変速機は速度を変化させられるのです。たとえば減速機で大幅に減速させてから、変速機で速度を調節して利用する方法があります。
減速機も変速機もモーターのような動力源から力を得て、速度を変えたり減速したりします。
減速機や変速機がないとモーターは一定速回転するだけです。1分間に1,500回転、1,800回転する速度だと早すぎます。またモーターによって運転効率の良い出力回転速度があるので、そのとき減速機や変速機を利用して回転速度を変化・減速させて必要な回転速度にしています。モーターから得られる動力をうまく利用するために、減速機が必要なのです。
減速機の原理を用いたものは、意外と身近なところに使われています。ラジコンや電車模型などのおもちゃ、扇風機などの家電製品、マッサージ機などの医療機器、シュレッダー、プリンターなどのOA機器などは全て低速機を用いた製品です。
ミキサーやフードプロセッサーなどの電動調理器具にも低速機が使われています。コーヒー豆を挽く電動ミルは、減速機で強いトルクを生み出すことによって低速で豆を挽き、香りやうま味を逃さないように上手く挽けるようにできています。
精密な動作と正確な位置決めが求められる産業用ロボットに使われているのは、精密制御用の減速機です。1台のロボットに複数の減速機を使い、繰り返し精密な動作を行えるようになります。
さまざまな機器の部品を作るために必要な工作機械にも減速機が使われており、大きな役割を果たしています。最近ではあらゆる角度から加工を行える高精度のマシニングセンタやターニングセンタが増えてきており、これらには精密制御用の減速機が採用されています。
減速機は、モータなどの動力源から発生した回転数を、必要に応じて減らす役割を持つ部品です。減速する際に生まれるトルクとは反比例の関係にあり、大きな力を得る事ができます。工場などの産業分野だけでなく、家電製品や商業施設など身近な場所で使われています。
多種多様な種類の減速機があるので、目的や用途にあった装置を選択することが重要です。トップページでは波動歯車減速機・遊星歯車減速機・サイクロ減速機ごとでおすすめの精密減速機を紹介しています。
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