産業ロボットや工場などの自動化設備、半導体装置、工作機器などに使われている波動歯車減速機についてご紹介しています。
高精度・高効率・高ねじり剛性・低起動トルクなどの特徴を備えた減速機。楕円と真円の動きの差を利用した差動装置です。波動歯車装置の原理は、アメリカの発明家によって1955年に考案されました(※1:2023年3月調査時点)。
波動歯車装置には、基本的構造であるカップ型をはじめ、さまざまな形態があります。カップ型では、ウェーブジェネレータを囲む外歯車のフレクスプライン、その外側を囲む内歯車のサーキュラスプラインで構成されています。
ウェーブジェネレータはカム板の周りにボールベアリングを挿入しており、カム板を回転させることでボールベアリングの外部に伝わる波動発生器です。フレクスプラインとサーキュラスプラインの歯数の組み合わせ方は30~320とあります(※2:2023年3月調査時点)。
波動歯車減速機が使われている代表的なものには、産業用ロボットが挙げられます。間接駆動部に使われており、組立や軽量物の搬送をおこなう水平多関節型(スカラ型)や、重量物の搬送やハンドリングをおこなう垂直多関節型ロボットなどでみることができます。
油井やガス田で使われる掘削装置では、操舵システムに採用されています。掘削機先端にある岩石を砕くためのビットの向きをコントロール。目標物への正確でスピーディーな働きで、精密な掘削作業を提供しています。
1960年代のアポロ計画による月面車や、2004年のNASAの火星探査車などの宇宙事業にも採用されています。火星探査機「オポチュニティ」と「スピリット」は、当初の予定よりも大幅に上回る活動をするなど、その能力の高さを発揮しています。
ハーモニックドライブシステムズは、ハーモニックドライブ減速機を取り扱っています。高トルク、定格寿命の向上、ノンバックラッシで、3つの基本部品だけで構成されたコンポネントタイプの減速機です。CFCシリーズ比30%のトルク容量アップ、10,000時間の43%寿命向上を実現しています。
2020年11月には創立50周年を迎えており、創業から波動歯車装置の可能性を追求。開発技術や生産技術など豊富な財産を土台とし、ニーズに応えています。
SKGが提供するSKG減速機は独自の特許技術で、産業用ロボットの発展に貢献しています。超小型、小型、中型、大型の各減速機にSKGの特許技術を応用でき、6種類の製品のラインナップがあります。また、順次、拡大、拡充する予定です。
SKG減速機を搭載したロボットは、サイズ小型化、重量軽減化が期待できます。減速機の長寿命化やコストダウンにもつながるのです。SKGは2016年に新型減速機の特許を出願し設立されました。2021年に第33回中小企業優秀新技術・新製品賞「優秀賞」も受賞しています。
ニデックドライブテクノロジーは、精密制御用高精度減速機FLEXWAVEを開発しています。クローズ型コンポネントタイプで、小型、軽量、コンパクトな精密減速機です。ロボットをはじめ、工業機械までさまざまなシーンに使用できます。
サイズは、35、42、50、63、80で、限られた狭いスペースでも使えるのが強みです。ニデックドライブテクノロジーは、減速機を主力製品とし、プレス事業も展開しています。。
波動歯車装置はアメリカの発明家により発明され、フレックスギアを変形させてインターナルギアと噛み合わせることで大きな減速比と高精度な伝達を可能にしています。安定した再現性と位置決めができる減速機です。
1960年代には月面車で使う車輪駆動用の減速機としても採用され(※2023年3月調査時点)、正確で精密なコントロール力があることから、産業用ロボットの駆動部や油井やガス田での掘削現場など細かい動きが求められる現場で重宝されています。
ここでは精密減速機メーカー(※)のなかでも特に、小型・軽量・高精度が求められるシーンで活用される
波動歯車減速機のメーカー3社をピックアップ。要望別に3つのおすすめメーカーを紹介します。
ここでは精密減速機メーカー(※)のなかでも特に様々なシーンで活用されるサイクロイド・トロコイドのメーカーをピックアップ。要望別におすすめメーカーを紹介します。