産業用ロボットや産業機器、自動車の駆動部分などに使われているサイクロイド減速機。その特徴などをご紹介しています。
トロコイド曲線の歯車を使っている減速機です。
取り付け軸と減速用の歯車がそれぞれ2つずつ、軸と歯車部を支えるベアリングで構成されており、歯車の部分については、外側の歯車の径は大きく中に小さい径の歯車が入っています。高い減速比を出せる製品も少なくありません。穴を開けずに外ピンを使うことで、偏心用のベアリングへの負荷を減少させているものもあります。
ギヤ同士の歯数差を少なくすることができ、1段あたりの減速比が高いので複数の段を作る必要がありません。コンパクトで薄型の設計が可能です。
また、転がり歯車摩擦や振動が少なく長寿命。モータやピストンなどの回転を必要とする設備や機器に使われています。ただ、選ぶ際には減速比や摩擦による損失やメンテナンス性などを考慮する必要があります。
産業用ロボットや産業機器、ポンプや自動車などの駆動部分、船のスクリュー、航空機や風力発電のプロペラ部などに使われています。エンジンのピストンやモータなどの駆動部から得た回転とトルクを、他の機器で使うトルクや回転数に変換しています。
サイクロイド減速機には、ニーズに合わせた様々な形状があります。トルクセンサーを内蔵しオーバーロードなどから守るタイプ、出力部に密閉構造架台を装着したタイプ、プーリドラムに内蔵したタイプ、ブレーキ付や低バックラッシタイプなど、各社で様々なサイクロイド減速機を開発・販売しています。
コンパクト設計で軽量化が可能なことからも、パワーアシストスーツの開発にも使われています。薄型はもちろん、音や振動も抑えた仕様で、量産化も進められています。
住友重機械工業のサイクロ減速機は、歯車機構の独自性と高強度を持った減速機です。円弧系歯車を採用し、耐衝撃性や高い効率性を実現しました。1段減速6~119比で幅広く、コンパクト設計です。曲線版も一般的なインボリュートギアではなく、エピトロコイド並行曲線を採用しています。
歯の折損リスクも少なく転がり接触は滑らかでタフさを持ち合わせているのが強みです。長寿命で、各種応用製品も用意されているため、用途に合わせて選べます。容量(0.1~132kW)、減速比(2.5~658503)、モータ種類(屋外形・防爆形等)とバリエーションも豊富です。
住友重機工業は住友重機会グループのひとつとして、一般作業機械から精密機械、建設、船舶、環境、プラントなど総合機械メーカーとしてあらゆる機器をカバーしています。
加茂精工は、薄型ボール減速機JFRシリーズを取り扱っています。薄型で、出力部フランジタイプのボール減速機です。出力軸持部に薄型クロスローラベアリングを採用しているため、省スペース化をサポートします。
減速機後部が歯車ではなくスチールボールを採用しているのも特徴的です。予圧で常時転がり接触によりノンバックラッシを実現しています。精密送りや高精度位置決めのニーズに応えられるのです。
加茂精工は1980年に空圧式割出装置「ミニデックス」を開発し、ボール減速機の商品化に成功しました。2020年には設立40年を迎えた企業で、各社サーボモータに対応できるモータアタッチメントの標準化に、メンテナンスフリーや高効率を実現しています。
1段で高減速比が得られるので、多段にする必要がなく、コンパクト設計が可能。設置スペースをあまりとれない設備や機器などに適しています。また、転がり歯車で摩擦ロスが少なく、伝動効率が高いといった特徴からも、様々な用途に使われているポピュラーな減速機です。
ただ、サイクロイド減速機には潤滑油が使われており、量は多すぎても少なすぎてもダメ。適正量を意識した管理が必要になるなど、常にチェックできる体制が整っている必要があります。
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