自動車産業を中心に、大きな動力を必要とする製品に使われている遊星歯車減速機。その特徴などをご紹介しています。
遊星歯車を使用した減速機で、太陽歯車(サンギア)を中心に複数の遊星歯車(プラネタリギア)、外側に内歯車(インターナルギア)や遊星歯車キャリアで構成されています。入力軸と出力軸を同一軸上にしたり、複数の遊星歯車を設置するなど、使い勝手の良さがあります。
遊星歯車を使う場合では、内歯車を固定し、太陽歯車の回転で遊星歯車が太陽歯車の周囲を自転。この公転運動が出力になります。遊星歯車キャリアは、遊星歯車の動きに応じて入力軸と同軸の円運動を実行。複数個の遊星歯車を配置する事で力を分配できるようになり、大きな動力の伝達が可能になります。
ただ、遊星歯車減速機の構造は複雑なことからも、その設計には高い技術力が必要です。
入力軸と出力軸の配置が一直線にでき、コンパクト設計なのに高い減速比が可能。そのため、トルクコンバーター式のオートマチック車の変速機や四輪駆動車のセンターデフ、自転車の内装型変速機などに使われています。
発電機と接続して使う方法もあり、電気自動車「プリウス(トヨタ)」などにも使われています。遊星歯車キャリアとエンジン駆動力を、太陽歯車には発電機と繋げ、内歯車を出力として構成。エンジン出力と発電に分けています。
大きな動力を得られるのはもちろん、コンパクト設計で省スペースと軽量化で、自動車産業だけでなく、ロボット工学や3D印刷機器、工作機械、半導体機器、包装機械、医療機器、航空宇宙など様々な分野で活用されています。
マテックス株式会社の遊星歯車減速機は、昭和47年からはじまった研究開発の結晶です。独自機構で、遊星機構部をユニット構造化しています。部品点数が多い、遊星特有の部品が必要で管理が大変、使用に耐えられる設計という課題を解決しているのが特徴であり強みです。
減速仕様とマテックスのユニット組み込み検討だけで利用できます。1段使用で95%、2段使用で90%の効率、小型、高トルク、標準ユニットの組み合わせでさまざまな減速比も得られるのが強みです。マテックスは減速機や電動アクチュエータの開発と量産、国内外の生産体制と調達ネットワーク、独自評価装置による品質管理体制を整えています。
ナブテスコは産業用ロボット向け用途の精密減速機RVをコンパクトにし、軽量化を実現した新モデルRVNシリーズを提供しています。バックラッシュとロストモーションは1分以内です。単体での取り扱いだけでなく、顧客は自由な設計もできます。
ナブテスコは精機カンパニーとして、精密減速機の分野で国外でもシェアされている企業です。高精度で高剛性、小型と軽量化に成功している精密減速機は産業用ロボットや工作機械、半導体製造分野で活躍しています。
ニッセイは、平行軸、遊星タイプ(APG)を取り扱っています。遊星機構採用で、少ない段数でも高減速製作を実現しています。バックラッシ精度3分/15分、保護等級IP44/IP65相当の減速機を選べて、水や粉塵リスクのある場所でも使える防水、防塵対応です。
国内外の主要サーボモータにも対応できるだけでなく、ニッセイに支給すれば減速機に組み付けた状態での出荷もできます。ニッセイは1942年に創立し、ミシン部品の製造加工技術をコアとして、独自技術と生産体制を土台とし、歯車や減速機を製造している企業です。
入力軸と出力軸が一直線上に配置できるので装置の機構設計がしやすく、コンパクトサイズで大きな減速比を得ることができます。そのため、自動車など大きな動力を必要とする産業機器に適しています。
自動車産業を中心に導入されてきましたが、その高い減速比と高い出力トルクでロボット工学や工作機械、包装機械、医療機器など幅広い分野で活用されています。工業用品だけでなく民間製品にも使用されるなど、身近な製品にも見られます。
ここでは精密減速機メーカー(※)のなかでも特に、小型・軽量・高精度が求められるシーンで活用される
波動歯車減速機のメーカー3社をピックアップ。要望別に3つのおすすめメーカーを紹介します。
ここでは精密減速機メーカー(※)のなかでも特に様々なシーンで活用されるサイクロイド・トロコイドのメーカーをピックアップ。要望別におすすめメーカーを紹介します。